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肺がん

肺がん 療養

1.経過観察

治療後は、定期的に通院して検査を受けます。検査を受ける頻度は、がんの性質や、治療の内容と効果、追加治療の有無、体調の回復や後遺症の程度などによって異なります。

治療後の経過観察は5年間が目安です。始めは1カ月から3カ月ごと、病状が安定してきたら6カ月から1年ごとに定期的に受診します。

受診時は、再発や転移の早期発見、治療後の合併症・後遺症の早期発見、早期治療のため、体調についての問診や診察、血液検査(腫瘍マーカーなど)、胸部Xえっくす線検査などを行います。このほかに、もともとの病気の治療内容によって、CT検査、MRI検査、PET-CT検査などの画像検査も組み合わせて確認します。画像検査では発見しにくい肺門型扁平へんぺい上皮がんの場合には、必要に応じて、喀痰かくたん細胞診さいぼうしん気管支鏡きかんしきょう検査を行うこともあります。

2.日常生活を送る上で

規則正しい生活を送ることで、体調の維持や回復を図ることができます。禁煙すること、飲酒をひかえること、バランスのよい食事をとること、適度に運動することなどを日常的に心がけることが大切です。とりわけ喫煙は予後の悪化や、二次がんのリスク要因となるため、禁煙を続けることは重要です。症状や治療の状況により、日常生活の注意点は異なりますので、体調をみながら、担当医とよく相談して無理のない範囲で過ごしましょう。

また、患者会や患者サロンなどでは、同じ病気や障害、症状がある、同じ治療を受けたなど、共通の体験をもつ人から、生活などについて情報を聞くことができます。患者会や患者サロンなどの情報は、がん相談支援センターにもお問い合わせください。

1)手術や放射線治療後の日常生活

手術や放射線治療のあとは、無理をしない程度に散歩などの軽い運動を取り入れて、体力の回復に努めましょう。急な運動や作業をすると息が切れることもありますので、休みながら、ゆっくりとしたペースで行うとよいでしょう。

肺気腫や間質性肺炎など肺全体に及ぶ病気がある場合には、手術のあとに肺炎になる危険性が高くなりますので、体調の管理には十分注意をしましょう。雨の日や寒い日に肺が痛むこともよくありますが、次第に和らいでいきます。日常生活にさしつかえるような痛みがある場合には、担当医に相談して、痛み止めを処方してもらいましょう。話をしたとき、深呼吸をしたときなどにせきが出ることもよくあります。多くは1~2カ月でよくなりますが、咳に発熱や痰をともなう場合には注意が必要です。すぐに担当医に連絡しましょう。

2)薬物療法中の日常生活

近年では、新しい薬の登場や支持療法の進歩などにより、通院で薬物療法を行うことが増えています。通院による薬物療法には、自宅での生活を続けながら治療を受けられるメリットがあります。しかし、仕事や家事、育児、介護などを治療前と同じように担うことが難しくなることもあります。予想される副作用やその時期、対処法については、医師や薬剤師、看護師からの事前の説明をよく聞いて確認しておき、特に体調の悪いときには周囲にサポートを求めるなど、自分にできる工夫を探してみましょう。

通院は、疑問や不安に思うことを医療者に伝えるよい機会です。気付いたこと、気になることを日ごろからメモをしておくと役立ちます。また、病院に連絡して受診が必要か確認したほうがよいのはどんなときか、あらかじめ医療者に確認しておきましょう。

3)性生活について

性生活によって、がんの進行に悪影響を与えることはありません。また、性交渉そのものがパートナーに悪い影響を与えることもありません。しかし、がんやがんの治療は、性機能そのものや、性に関わる気持ちに影響を与えることがあります。がんやがんの治療による性生活への影響や相談先などに関する情報は、関連情報「がんやがんの治療による性生活への影響」をご覧ください。

なお、薬物療法中やそのあとは、腟分泌物や精液に薬の成分が含まれることがあるため、パートナーが薬の影響を受けないように、コンドームを使いましょう。また、薬は胎児に影響を及ぼすため、治療中や治療終了後一定期間は避妊しましょう。経口避妊薬などの特殊なホルモン剤を飲むときは、担当医と相談してください。

がんやがんの治療による性生活への影響や相談先などに関する情報を掲載しています。
がんの治療と妊孕性(子どもをつくる力)についての情報を、患者さんの性別ごとに紹介しています。
患者会や患者サロン、ピアサポートなどについての情報を掲載しています。

以下の関連情報では、療養中に役立つ制度やサービスの情報を掲載しています。

がんと診断されてからの働き方についてQ&A形式で紹介しています。
がんの治療にかかる主な費用や利用できる制度、相談窓口などのお金に関する情報について掲載しています。
治療で不安なこと、痛みやつらさ、治療費のことなど、がんに関するさまざまな相談に対応する窓口について紹介しています。
各都道府県等が発行しているがんに関する冊子やホームページへのリンクを掲載しています。
更新・確認日:2025年06月11日 [ 履歴 ]
履歴
2025年06月11日 「肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2024年版」「臨床・病理 肺癌取扱い規約 第9版補訂版」より内容を更新しました。
2025年03月28日 内容を確認し、一部更新しました。
2024年03月26日 「肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2023年版」より内容を確認しました。
2022年11月22日 「肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2021年版」「臨床・病理 肺癌取扱い規約 第8版補訂版」より内容を更新しました。
2020年01月23日 「肺癌診療ガイドライン 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む 2019年版」より、内容の更新をしました。
2019年07月08日 新規に追加された用語へのリンクを追加しました。
2018年07月25日 「関連情報」を追加しました。
2017年08月03日 内容の更新に伴い、4タブ形式に変更しました。
2014年10月23日 掲載内容の更新が不要であることを確認しました。
2012年11月02日 内容を更新しました。タブ形式に変更しました。
2006年10月01日 内容を更新しました。
1995年11月06日 掲載しました。
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